武学の目的は「徳の体得」

と書いていますが、「徳」とは何でしょうか?
「徳」の話しをしようとすると、「何かとんでもない大きな・深い、自分には至らないレベルのもの」といった感覚になる方が多いと感じます。

人間にとって徳とは均整のとれた精神の在り方を指すものである。
これは天分、社会的経験や道徳的訓練によって獲得し、善き人間の特質となる。
徳を備えた人間は他の人間からの信頼や尊敬を獲得しながら、人間関係の構築や組織の運営を進めることができる。
徳は人間性を構成する多様な精神要素から成り立っており、気品、意志、温情、理性、忠誠、勇気、名誉、誠実、自信、謙虚、健康、楽天主義などが個々の徳目と位置付けることができる。

~ウィキペディアより引用

では、どのように「徳」が説明されているか?を見て行きましょう。

■儒教における徳
儒教的徳は人間の道徳的卓越性を表し、具体的には仁(人を思いやること)・義(利欲にとらわれず、なすべきことをすること)・礼(「仁」を具体的な行動として表したもの)・智(道理をよく知り得ていること)・信(友情に厚く、言明をたがえないこと、真実を告げること、約束を守ること、誠実であること)の五徳や孝・悌(孝悌:親や兄姉といった年長者に対する崇敬)・忠(主君に対して裏表の無い態度)の実践として表される。
そして、徳は人間の道徳性から発展して統治原理とされ、治世者の優れた徳による教化によって秩序の安定がもたらされると考えられた。
前漢において儒教は「儒教」とは呼ばれず、もっぱら法家思想の法治や刑に対抗する意味で「徳教」と呼んでいた。
儒教思想において重要な規範的価値は、生まれによってではなくその人の徳の現れた実際の量の結果によって社会的地位が決せらるべきであるということである。

■キリスト教の徳
キリスト教において神学的徳は、コリント書13:13に由来する信仰、希望、愛 である。
これらは、神と人間への愛を完全にするという特殊な慣習的意味を持っている。
これら徳の調和とこれらへの思慮の相伴が主張され、キリスト教神学の特色をなす。

■西洋の中心的な徳目(四元徳(しげんとく))
・知慮・思慮・知恵
・勇気
・節制
・正義

■教育勅語での12の徳目
①父母ニ孝ニ (親に孝養を尽くしましょう)
②兄弟ニ友ニ (兄弟・姉妹は仲良くしましょう)
③夫婦相和シ (夫婦は互いに分を守り仲睦まじくしましょう)
④朋友相信シ (友だちはお互いに信じ合いましょう)
⑤恭儉己レヲ持シ (自分の言動を慎みましょう)
⑥博愛衆ニ及ホシ (広く全ての人に慈愛の手を差し伸べましょう)
⑦學ヲ修メ業ヲ習ヒ (勉学に励み職業を身につけましょう)
⑧以テ智能ヲ啓發シ (知識を養い才能を伸ばしましょう)
⑨德器ヲ成就シ (人格の向上に努めましょう)
⑩進テ公益ヲ廣メ世務ヲ開キ (広く世の人々や社会のためになる仕事に励みましょう)
⑪常ニ國憲ヲ重シ國法ニ遵ヒ (法令を守り国の秩序に遵いましょう)
⑫一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ以テ天壤無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ (国に危機が迫ったなら国のため力を尽くし、それにより永遠の皇国を支えましょう)

今度は「徳」の文字からその意味を確認してみましょう。

つくりは、心が素直でまっすぐな様で、原字である「悳」を形成。
「彳」(ぎょうにんべん)をつけて、「まっすぐな心で行動するの意」を表わしたものです。

ここまで書いてきましたが、「徳」を定義すると、次のとおりです。

「私は一体何者なのだろうか?」
「なぜ私は存在し、何に貢献しようとしているのだろうか?」
「私はどこへ行こうとしているのだろうか?」
「相手を理解しようとし、相手の存在を観る」

己を知り、己の目的に沿って行動していること

スティーブン・R・コヴィー博士は、「ボイス」という表現をしています。

『第8の習慣』は、「自分のボイス(内面の声)を発見し、それぞれ自分のボイスを発見できるよう人を奮起させる習慣」です。
ボイスについて、コヴィー博士は、「個としてのかけがえのない意義の現れ」と語っています。
つまり、『周囲の人々ひとりひとりの異なるニーズを理解し、それに対して行う、その人にしか果たすことができない「意義ある貢献」』のことを、「ボイス」と言っているのです。

(1)自分自身で自らの行動を選択することによって、主体的な生き方をする
(2)宇宙の法則に従って生きる

上記が「徳」であり、「徳」とは、動詞で表現される行動ということになります。

抽象的、先天的だと思われてきた「徳」は体得することができます。
そうすれば、どんな悩みも、どんな問題も、自分自身で解決できるようになり、深く学べば学ぶほど、人間関係や、自身を取り巻く環境、ひいては、社会全体にも大きな影響を与えることができるようになるのです。


 

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