生きる恐怖を初めて知る

 

 

リッツ「わ、私の人生の目的は、ありません!!

私は、生きる目的を持っていない人間なんです!!

何のために生きているかなんて考えたことすらありません!」

リッツはよっぽどひどい顔をしていたと思います。

 

自身をごまかしながら生きていることは自分で分かっていました。

小さいころから絵が好きで、母の勧める仕事を無理やり押しのけ、

絵の道に進んだのはいいけれども、高価な画材代を稼ぐことと、

働きながら学校に行くキツサに、単位を取ることもままならず、

母に迷惑をかけつつ何とか卒業出来ました。

 

それなのに、絵で仕事について何とか母への恩を返そうと思っていた矢先に、

バブルが崩壊して就職が出来なくなりました。

まともな資格を一つも持っていなかったリッツは、フリーターになるしかなく・・・・。

自分の好きな事も、才能も、それで生きる未来も、

自分には到底実力がないことに嫌というほど思い知らされ、

 

フリーターをしながらも、半分引きこもっているような生活を送っていた矢先に、

母から地方公務員の仕事を恵んで貰ったのです。

何とかそこにしがみつき、怒られない程度に仕事をしていました。

 

絵をあきらめきれない中途半端な自分。

親に迷惑しかかけていない自分。

惨めで無才で、誰の何の役にも立たない自分。

自分は意味がないと思いながらも、どこかに縋りつくところがあると思っていました。

 

しかし、生きる目的がない・・・・!

この事実は、リッツに大きな衝撃を与えました。

手足が小刻みにブルブルと震え、体が冷えていく感じがしました。

リッツ「(自分は人生の中で、何も見いだせていなかったのだ。)」

 

自分は今まで一体何をして生きてきたのか・・・・?

足の下に大きな穴が開き、そこに吸い込まれていくような感覚でした。

何故なら、本当に自分は生きている意味がないことに、気が付いてしまったからです。

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リッツ(安西律子)

「武学」を学んではや10年以上・・・・・。 その間に仕事を辞め、結婚をし、 現在は子育て真っ最中です。 私自身が観た視点で、「武学」や、それに関連することなどを、 面白おかしくわかりやすく、お伝えできたらと思っております。 よろしくお願いいたします。

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