本当の「武術」に出会う

 

20歳前後のレノンリーは、

ブランドのスーツに身を固め、高級車を乗り回し、

当時販売されたばっかりの携帯電話(ゴツイ肩掛けカバンのようなもの)を、

忙しく使う絵にかいたような「ヤリ手青年実業家」でした。

 

レノンリー「金と力(ケンカで負けない)が最強の強さと思ってた。

因みにカバンみたいな携帯電話はマジで使えなかった(笑)。

通話料は高いし、重いしデカいし・・・・・。

あれを持って電話をかけてる姿が勝ち組だと思い込んでた(笑)。」

 

実際に「強さ」を「お金と力(ケンカと権力)」だと思い、

そこを求めることに全力を注いでいたレノンリーは、

当時の同年齢の男性が稼ぐ金額をはるかに上回ったお金を動かしていました。

レノンリー「人に言えないような、ちょいと悪いこともした(笑)。」

しかし、どうしようもない虚しさと寂しさは、お金を稼いでもケンカで勝っても、

全く埋まることは無かったそうです。

 

そして、レノンリーは最初の武術の師匠、K老師に会います。

レノンリー「今まで多くの世界一の武術の師匠に会って、教えを乞うてきた。

K老師には「武術とは何か」「強さとは何か」を教えてもらった。

彼に会えなければ、おそらく武術をしていなかったと思う。」

後にレノンリーはこのように話していました。

 

K老師との出会いは、とある武道の試合会場だったそうです。

どんなにお金を稼いでも、ケンカをしても、

「武術」「格闘技」「武道」は大好きで、空いた時間があれば、

イベントや試合会場に足を運んでいたそうです。

 

当時のレノンリーは、長年練習をしていた「中国武術」に演武以上の要素がないことに、

大きな落胆をしていました。

レノンリー「K老師に会わなければ、武術の本当の姿を知ることはできなかった。

間違いなくシュートボクシングの選手になっていたと思う(笑)。」

 

その会場の隅で、一人中国武術「八卦掌」の型の練習をしている小柄な男性がいたそうです。

レノンリー「胡散臭い、演武まがいのエセ武術家だと思って、からかい半分に声をかけた(笑)。」

思った以上に気さくなその男性は、自分の道場が近いのでレノンリーを誘ったそうです。

そこで、これまた絵にかいたようなムキムキの道場やぶりがやってきて・・・・。

 

ここからはまるで香港映画のワンシーンのようなんですが、

小柄なその男性に、20歳くらいのムキムキ道場やぶりは、

コロコロと子供の様に転がされ、あれよあれよという間に倒されてしまいます。

レノンリーはその場ですぐに弟子入りを決意したそうです。

 

レノンリー「師父(せんせい)は何も教えてくれなかった。

俺は半年間道場の隅っこで、毎日毎日3時間、只ひたすら立っていただけだった。

俺の練習は立続ける事。

ここで俺は、武術の本当の厳しさを知ることができた・・・・。」

 

さて、レノンリーの言う「武術の本当の厳しさ」とは一体何でしょう?

次回を乞うご期待!

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リッツ(安西律子)

「武学」を学んではや10年以上・・・・・。 その間に仕事を辞め、結婚をし、 現在は子育て真っ最中です。 私自身が観た視点で、「武学」や、それに関連することなどを、 面白おかしくわかりやすく、お伝えできたらと思っております。 よろしくお願いいたします。

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