壮絶なレノンリーの再生 その4

リッツ「リー先生の為? どういうこと?」

 

レノンリー「兄貴の幻影から逃げてたのは、俺の罪の意識からくる恐怖や。

俺は罪の意識にさいなまれ、それを直視することが出来ずに逃げ待ってたんや。

逃げても逃げても追ってくるのは、ほかならぬ俺自身やねん。

3日間も。」

 

リッツ「それは、きつかったですね・・・・・。」

レノンリー「思い出しても今でも身震いする。

だけど、俺は気が付いた。

どんだけ終わろうとしても、俺の中に消えないものがある事に。

 

俺はどうしようもないほどクソでダメな奴や。

人前で「武学武学」っていってるけど、その実何も出来ない。

それを自分で認識するのは、本当にキツかった。」

 

リッツ「人前で講演してるリー先生が、そんな風に自分の事を思うなんて・・・・。」

 

レノンリー「俺は少し天狗になっとった。

「武学」を使えばすべて思い通りになる。

慢心してたんや。

現実はそうじゃない。

 

それでもな、メッチャ重要な事に気がついてん。

上手くいってたら気が付かんかったやろうな。

どうしようもない空っぽの俺の中に、

たった一つ、絶対に消せない火があった。

それは俺の中にあるから、消えない。 消せない。」

 

リッツ「・・・・・・・・・・。」

レノンリー「兄貴は・・・・、それを俺に教えてくれたんよ。

お前の炎に気が付けよって。

お前の消せないその炎こそが、情熱やって。」

 

リッツ「・・・・・・・・。」

レノンリー「・・・・・3日目の朝に、泣いたわ。

大泣きした。 声も枯れて出ないけど、泣いて泣いて泣きまくった。

兄貴、ごめんな。 ありがとうって。」

 

リッツ「お兄さんらしい、愛情だね。」

レノンリー「そっから俺の時間が進みだした。

しかも以前よりずっと速い速度で。

 

闇を認められなければ、それを陽転することは出来ない。

破壊と再生を繰り返すことは、とてつもない痛みを伴うのは当たり前や。

女性が子供を産むときに死ぬほど痛いらしい。

自然分娩でも帝王切開でも、どっちにしても物凄い痛みを伴うらしいで。

 

だけどそれを乗り越えて生まれてきた命に、深い愛情を覚えるんやと思うねん。

赤ん坊の持つ、生命力の炎に、みんな感動するんやろうなぁ。

俺の消えない炎は、武学への情熱の炎や。

行動の原動力は情熱やから、その炎そのものを、自分で見つけないといけない。」

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リッツ(安西律子)

「武学」を学んではや10年以上・・・・・。 その間に仕事を辞め、結婚をし、 現在は子育て真っ最中です。 私自身が観た視点で、「武学」や、それに関連することなどを、 面白おかしくわかりやすく、お伝えできたらと思っております。 よろしくお願いいたします。

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