今回の話は、一般的な解釈とは異なる見解でお伝えします。
どちらが正しいということではなく、
「そういう解釈をする人もいるんだな」
という目線で読んでもらえる方のみ、読み進めてください。
一般的に「祝詞(のりと)」というと「祝いの言葉」という印象があると思いますが、
「大祓詞(おおはらえのことば)」は、罪・穢れを払うために唱えられるものです。
※現在は、祝いの言葉として
神話や罪の列挙の部分が大幅に省略された「大祝詞」が奏上される場合が多いです。
罪・穢れを払うことを、「禊払い(みそぎはらい)」と言います。
「みそぎ」は水で清め、
「はらい」は風で清めること
というのが一般的です。
神社の手や口を清める手水(ちょうず)や、
神主さんにバサバサ紙(御幣・ごへい)を振られるものが分かりやすいと思います。
その他にも、「はらう」と「わらう」の音の響きが似ていることから
「笑う」ことが罪・穢れを禊払いするという意味合いもありますし、
「サムライの礼」を行うことで、態勢や身体の使い方から
罪・穢れを禊払いすることもできます。
大祓詞(おおはらえのことば)の罪・穢れは、犯罪という意味ではありません。
大祓詞(おおはらえのことば)に書かれた大きな罪のくくりは2つあります。
天つ罪・国つ罪(あまつつみ・くにつつみ)です。
天つ罪(あまつつみ)に分類される罪は8つあります。
国つ罪(くにつつみ)に分類される罪は13あります。
一般的な罪の解釈は、ウィキペディアを参照ください。
ここでは、文字が伝わってくる前の話し言葉である「大和言葉」と
神代文字(かみよもじ)の「カタカムナ」を参考に、
文字に注目してお伝えしていきます。
複雑に書いてありますが、
A=B、A=Cが成り立つとき、B=Cは成り立つ
という数式を言葉に応用してみます。
天つ罪・国つ罪(あまつつみ・くにつつみ)では、最初に「天つ罪」が先に出てきます。
そして、天つ罪の最初は「あはなち」という罪があります。
「あ」を「はなつ」ことが罪であるとされているのです。
「あ」とは何でしょうか。
カタカムナでは、「あ」=「空」を象徴しています。
空は「くう」と読むことができ、
「くう」は、宇宙(時空間全て)をさすときに使う言葉です。
宇宙(時空間全て)をひっくるめて、創造主や「神」ということもありますね。
また、古事記で「あ」は「我」=「自分」という意味でも出てきますので、
「自分」という言葉と、「宇宙(時空間全て)」を同じ音で表していたと言えます。
大和言葉は、「音の響き」を大切にする言語ですので、
偶然の一致というものは考えにくいので、
「宇宙(時空間全て)=神」は「自分」である
という認識を昔の人はしていたのではないか、と考えることができます。
では、「あはなち」という罪に戻ります。
「あ」を「はなつ」
「宇宙(時空間全て)=神=自分」を「はなつ=放つ=手放す」ことは罪である
自分とは何でしょう?
「天つ罪(あまつつみ)」の「天」も「あめ」や「あま」と読みます。
古事記では、地上から宇宙をさすような意味合いの時に「あめ」
宇宙のなかにあるものをさすときを「あま」と使い分けているようです。
ということは、
「天つ罪(あまつつみ)」は、「宇宙の全体の中にある罪」
これらのことから、
「宇宙から分離した自分であることを忘れること」
が「あはなち」という罪であると解釈しています。
「宇宙から分離した自分であること」というのは長いので、
「志」と表現します。
そうすると、
「あはなち」という罪は、「志を忘れること」
それが、大祓詞(おおはらえのことば)の中に出てくる最初の罪ですから
とても重要なことだと、解釈しています。
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